No.1 フィンランドから学ぶ「教育」と「女性の労働力」について
20日からフィンランドのタルヤ・ハロネン大統領(60)が日本を訪れている。フィンランドと言えば、早くから高い携帯電話普及率を持ち、あの携帯電話機ノキアや、マイクロソフトに追いつく勢いで普及しているパソコン基本ソフトのリナックスを誕生させた、世界でも有数のIT先進国だ。また、インターネットホスト数の割合ではアメリカ、アイスランドについで世界第3位だ。
そのハロネン大統領は、フィンランド初の女性大統領ということになる。2000年に大統領に就任したわけだが、その半年後に長年連れ添った(同棲結婚していた)パートナーの男性と入籍した。それまでの道のりは長く、彼女は未婚のまま女の子を出産、一人で育て上げた経歴を持つ。
フィンランドはもともと福祉型国家なのだが、その教育システムには驚かされることが多い。例えば、フィンランドの学校の約4割が生徒数50人以下なのだそうだ。逆に、生徒数500人以上の学校はわずか3%だそうだ。また職員も多種多様な人材を取り入れている。
なぜフィンランドではこのように教育に力を入れているのか?「教育への投資」こそが、国家繁栄の道、と考えられているそうだ。そして何よりの証拠に、フィンランドでは学校はすべて公立で授業料無料だ。しかも大学までの学費を無料にするほど、教育熱心なのだ。また、一人暮らしの学生は、返済義務のない、毎月5万円もの助成金が国から受けられるというのだ。学生証を見せれば公共交通機関の運賃は半額にもなる。なんとも羨ましい話しだ。
これ程に教育を重視する理由を、ハロネン大統領を聞くと、
「すべての男女に教育を施せば、男性だけの国の2倍の競争力が持てます。貧富の差をなく教育を施せば、それだけで競争力は高まります。グローバル競争の中でも、『福祉社会』は『重荷』ではなく、『資源』なのです。」 (*2004年10月20日・朝日新聞“特派員メモ”より引用)と言ったという。
なんて素敵な発言なんだろう。そうなのだ。「国」単位の経済力、国際競争力を考慮しても、今や女性の労働や能力なくしては、成り立たないのだ。それなのに、わが国では、未だ女性の労働力は過小評価されているような気がしてならない。また、まだまだ労働市場では、女性へのあつれきや壁(グラス・シーリング)が高く立ちはだかっているようにも思える。
もっと、本当の意味での男女平等社会が訪れないものかと、真摯に思う。「男女共同参画社会」などとうたってみても、実際に真の意味で、そのコンセプトを理解し、実践している人/企業は、まだほんの一握りのような気がする。共に働き、共に子どもを育て、本当の意味で協力しながらお互い支え合って生きてゆく、そんなパートナーシップに憧れてしまう私は、このハロネン大統領の言葉を重く受け止めている。
いつか日本でも、国会議員や、内閣入りする女性が半数近くを占めるとか、それこそ総理大臣が女性となる時代が来るのだろうか?そんな時代がやって来たら、真の意味での「男女平等国家」、ハードだけじゃなく、ソフトも充実させる社会の到来がやってくるのかもしれない。今、一生懸命「男女共同参画社会」の実現のために働いている方達へ改めて敬意を表すると共に、私も小さな力だけど、一歩一歩できることを探してゆきたい。真の意味での「男女共同参画社会」が到来したとき、男も女も今以上に幸せになれるのではないだろうか?
コラム一覧へ戻る
|